目は健康な生活のためにもかわいいビジュのためにも、とっても大切なパーツ!
でも、毎日のスマホやアイメイクで、目の酷使レベルは相当なもの。
スキンケアやヘアケアには一生懸命だし情報収集にも積極的だけれど、目のケアに対する意識や知識については自信がない…。
という人がとても多いのでは? 特に、コンタクトレンズユーザーの多くが、目の定期検診を受けていない、
目のトラブルがあっても眼科を受診しないという「眼科キャンセル界隈」に属しているんです!そんなコンタクトレンズユーザーたちの現実に警鐘を鳴らすのは、眼科医の東原尚代先生。
今回集まったCanCam世代の3人も「目の定期検診」は受けたことがなく、その存在や内容も知らないそう。
知らず知らずのうちに「眼科キャンセル界隈」に陥ってしまっていた3人…。
目の健康管理のリアルやお悩みについて本音で語り合いながら、「目の定期検診」を受けないことや、コンタクトレンズの誤った取り扱いによる目の健康へのリスクなどについて、東原先生が解説してくれました!
れいなさん
(動画クリエイター&インフルエンサー・25歳)「最後に眼科へ行ったのは3年前…。コンタクトレンズはディスカウントストアで安くまとめ買い」
東原尚代先生
関西医科大学を卒業後、京都府立医科大学眼科学教室に入局。2011年に現クリニックへ。専門分野はコンタクトレンズ、角膜疾患やドライアイなど。
石川誠矢さん
(美容関連・21歳)「コンタクトレンズ歴3年。目のトラブルが絶えず、やっと眼科へ行くと、角膜炎と診断されました…」
若山莉久さん
(モデル・26歳)「コンタクトレンズはファッションの一部。眼科へ行くのはものもらいなど、トラブルがあったときくらい」
東原先生コンタクトレンズは今やファッションアイテムのひとつとして手に取る方がいたり、オンラインショップなどでも販売されていたり、皆さんも身近なものに感じているかもしれません。でも実はコンタクトレンズは「高度管理医療機器」に指定されているということをご存じですか? 副作用や機能障害が生じた場合の人体へのリスクが比較的高いものとされています。その中でもコンタクトレンズは「クラスⅢ」に分類され、人工骨や人工呼吸器、透析器などと同じ扱いです。
一同えっ!?
若山さん(以下、若山) 知りませんでした…! 私は、おしゃれを楽しみたくてコンタクトレンズに興味をもったことが、使い始めたきっかけです。コンタクトレンズは自分好みのものを、眼科に行かずに安く買ってしまっています…。
東原先生そう、ご存じない方がとても多いのです(苦笑)。不適切なコンタクトレンズ選びや装用方法によって、角膜障害や結膜炎などのトラブルを引き起こす恐れがあります。視力に合わない度数のコンタクトレンズや目のサイズに合わないコンタクトレンズを使い続けることで、目の炎症やドライアイ、視力低下の原因になることも。
れいなさん(以下、れいな) 私も初めてコンタクトレンズを買ったときは眼科に行って処方してもらいましたが、その後、見えづらくなったので自己判断で度数を変えていました…。
石川さん(以下、石川) 僕はコンタクトレンズを使い始めてから、痛みや充血などの目のトラブルを何度も繰り返しています。眼科に行きたいとは思うけれど、忙しいとどうしても後回しに…。
若山眼科って、トラブルが起きたときに行くイメージでした。
れいな私も。眼科にはもう何年も行っていないかも…?
東原先生そういうコンタクトレンズユーザーの方がとても多いんです…(悲)。コンタクトレンズの基本は、「よく見える」「快適」「安全」の3つが大事と考えています。トラブルが起きたときだけに眼科へ行くのではなく、定期的に眼科検診を受けましょう。眼科医の診察なしにコンタクトレンズを装用し続けると、目の病気の発見が遅れ、重症化させてしまうことも。さらに、レンズケアを怠る、装用期間を守らないなど、正しくコンタクトレンズを取り扱わないことで、最悪の場合、角膜感染症を発症して失明に至ることがあります。
石川まさに、僕のことですね!?
東原先生目の定期検診を受けていない方で、目のトラブルを抱えて来院される方は、既に重症化していることがほとんど。その場しのぎで目薬を使ったり、とりあえず数日間コンタクトレンズの使用を控えてみたり。自己判断でケアし続けてみたものの、痛みや充血が悪化してしまい、検査をすると目が驚くほど傷だらけだった! なんてよくあることです。
石川僕も定期的に眼科検診を受けていたら、角膜炎を防げたのかも…。定期検診の大切さをひしひしと感じています。
れいな眼科検診って、視力を測るだけなのかと思っていました。他にはどんなことを診てもらえるのですか?
東原先生例えば、検査機器を使って目の表面や奥のほうを観察して、コンタクトレンズを装用できる状態かどうか、傷など異常がないかをチェックします。もちろん視力検査も行い、適切な度数のコンタクトレンズを使えているかを確認します。また、1日使い捨てタイプが主流ではありますが、毎日レンズケアをしながら使う2週間交換タイプのコンタクトレンズを使用されている方は、レンズの状態にも注意が必要。そのチェックもしています。
若山様々な角度から目の健康状態を診てもらえるんですね。定期的な眼科検診というと、どれくらいのペースで行くものですか?
東原先生コンタクトレンズユーザーの方は、3か月に1回の検診が推奨されています。
石川なぜ3か月ごとなのですか?
東原先生目の状態や視力は、皆さんが思っている以上に変化しやすいものです。若い方は近視が進みやすいですし、年齢と共に、緑内障などの病気の発症率が高まっていきます。空気が乾燥する時季や花粉が飛ぶ時季など、生活環境もコンタクトレンズの装用感などに影響します。スキンケアと同じように考えていただくとよいと思います。「3か月に1回」というと頻度が高いように感じるかもしれませんが、目の定期検診とは、コンタクトレンズを処方するためだけではなく、トータル的に目の健康を維持するために行うものなのです。目は一生つきあうものですから!
コンタクトレンズユーザーで「目の定期検診」を受けていない「眼科キャンセル界隈」に属する人の数は圧倒的多数!
そもそも「目の定期検診」として3か月に1回程度の眼科受診が推奨されていることを認識していなかったり、検診の内容を
知らなかったり。目の健康意識の低さを自覚し、そのリスクを知ることは、「眼科キャンセル界隈」卒業の第一歩です!
アンケートの調査対象:コンタクトレンズを使用している20〜35歳の男女、624名/アンケートの調査期間:2025年3月
目の状態は年齢と共に大きく変わります。度数が合わないコンタクトレンズを装用し続けていると、見えにくさや疲れなどの不具合が出て、頭痛や肩こりの原因になることも。(東原先生)
目の状態の変化や病気の進行は自覚しづらいもの。しかし最悪の場合、失明に至ることもあります。コンタクトレンズは〝高度管理医療機器〟であるという意識を改めてもっていただき、3か月に1回、定期検診を受けましょう。(東原先生)
目のトラブルの発症や病気の進行を防ぎ、健康な状態を維持して快適なコンタクトレンズ生活を送るには、自覚症状がなくても定期検診を受けることがとにかく大切! 基本的には決まった眼科で、3か月に1回を目安に定期的に受けましょう。一般的に、コンタクトレンズはつけたまま受診を。
費用は負担割合によって異なりますが、初診の場合は1,500円程度が相場。気になることは事前に眼科に問い合わせを!
撮影/田中麻以(小学館) ヘア&メイク/TONOE
デザイン/岩見夏美(Beeworks)
構成/松村有希子 広告担当/酒井日花・宮川紀穂(小学館)
編集担当/上阪泰幸(CanCam編集部)